動作分解・打たれ慣れる

先週は稽古をお休みにしてしまって申し訳ありませんでした。
風邪ひいて寝込んだなんて何年ぶりです。
皆様もどうぞ十分お気をつけ下さい。

●動作分解

先々週の稽古から。
HKさんのレクチャーです。
型をやる時に、一動作ごとに分解してしっかり見直すといい、という話でした。

例えば太極拳の動きを見ると、円形に腕を動かしているように思われがちですが、実際には腕を上下に直線的に動かし、上体を左右に移動させています。
この2つの動作が合成されて円形に腕が動いている様に見えるだけで、腕を回している訳ではないのです。
同じように「螺旋状に動かす」と言われるのも、直線の合成が螺旋に「見える」だけで、螺旋状に動かしてしまうと力が出ないし、伝達も出来ません。

こういう見た目だけの動きにならないように、手の移動、体の移動をポイントを抑えて1つずつ分解し、「過程をしっかり行う」事が重要だ、との事でした。


●打たれ慣れる

私達のような組手をやらない系武術では、実際の打ち合いが非常に苦手です。
おそらく理論をしっかり修めている人でも、いきなり現代格闘技をやっている人と闘ったらパワーとスピードに翻弄されて終わり、じゃないでしょうか。
(型しか練習してないけど、組手がムチャクチャ強いという人がいたら是非お会いしたいです)
そんな訳でフルコンタクトの使い手でもあるHKさんに色々レクチャーして頂きました。

もし打ち合いに慣れていない人が戦うはめになった場合は、硬い部分で攻撃を受けるのが一番簡単で確実だそうです。
すなわち、パンチは肘、キックは膝、でガード。
これをバカのひとつ覚えのように繰り返すと、打つ方が苦痛で心が折れるとのこと。

一番の秘訣は「打たれ慣れる事」だそうです。
フルコンタクトでやっている人たちは日常的に打たれているので、打たれる事への恐怖が少ない。
しかし、寸止めや、型メインだと殴られたり蹴られたりといったバイオレンスに慣れていないので体が固まってしまい、本来の動きが出来なくなります。

当てない武術であっても、打たれる訓練はやっておくべきでしょう。
昔、北斗旗選手権で活躍した「体術」の選手たちは、防具をつけ、壁際に追い詰められた状態で集中的に蹴られたり殴られたりする練習を繰り返していたそうです。
その中でうまい受け方や反撃のチャンスを体で覚えていったのではないか、と思います。


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今週はお休み

今週18日の稽古は都合によりお休みにさせて頂きます。
宜しくお願い致します。




陰陽・ゆるみ

人間が動作を行う時に必ず伴うのが「意識」の操作です。
体がハードウエアだとすると、意識はそれを動かすソフトウエアで、このソフトの出来が動きの質を決めると言って過言ではないと思います。
伸び悩んでいた人が、ちょっとしたコツを教わっただけで別人の様になるのは、意識の持ち方がいかに重要かを物語っているでしょう。
問題は、この「意識」というものが形が無いし記述も出来ないという事です。
もし意識を形として伝える方法が考え出されたら、人類は間違いなく一段上にシフトすると思います。

●陰陽の意識

管理人が教わっている柔術は、イメージや意識を非常に重視します。
今回はその一例で、体の「陰陽」を利用する方法を試してみました。

古代中国の思想「陰陽理論」では、あらゆる物事を「陰」と「陽」という正反対の性質を持つものとして分けます。
(昼間が「陽」で夜が「陰」、男が「陽」で女が「陰」、広がると「陽」、縮むと「陰」、など)
人間の体だと、背中側が「陽」で腹側が「陰」です。
昼が夜になり、夜が昼になるように陰陽は常に入れ替わり、双方に変化する際に「流れ」が生じます。
人間の陰陽は、陽側は上から下に、陰側は下から上に流れる法則があり、東洋医学はこれに従って治療を行っています。

体を動かす時にもこの陰陽の流れに従った方が良いだろう、というのが柔術の理屈です。
例えばパンチを打つ時、普通は上から下に打ち下ろしたくなりますが、これは陰陽の流れからすると反対向きになるので効率的ではありません。
前に打とうとするなら陰側の下から上に突き上げるようなパンチの方が勢いが増すはずです。
そこで実験をしてみます。

両手首を掴んでもらい、最初は腕の前側、つまり手の甲の方を使うつもりで相手を押してみます。
これだと力がぶつかっている感じになって押すのが大変です。
今度は腕の裏側を意識して押してみます。
すると、甲側よりもずっと力が通る感じがして、相手を簡単に押しやれます。
違いは甲側(陽)に意識をかけるか、内側{陰)に意識をかけるか、だけです。
陰陽の意識を切り替えるだけで効果がガラリと変わります。
太極拳などの型を見ても、下から潜り込むように打つ例が多いので、東洋で生まれた伝統武術は、少なからず陰陽の意識を利用していると考えられます。


●ゆるみ

HDさんからは体をゆるませて拘束から逃れるトレーニングを紹介して頂きました。

「ゆるんでいる」とは、力みがなく、どこにも居着きがない体の状態を差していると思います。
動物でいうと「タコ」が一番ゆるみを体現しているでしょう。
しかし、自分ではゆるんでいるかどうか判断出来ません。
そこで、他の人に拘束してもらう事でゆるみ具合や、力み具合を確認してみました。

まず壁に背中をつけて立ち、拘束する人は壁に立った人を棒を横にして胸に押し付けます。
これで壁側の人は体をゆるませて押し付けられた棒から左右に逃げます。
ゆるんでいないと動けません。
この時、壁側の人は力む部分、支点など、居着いている所を自覚し、そこを溶かすように努力します。

寝技でもやってみます。
柔道の袈裟固めを掛けてもらい、ゆるみだけで拘束から逃れるようにします。
返し技ではなく、体の操作のみでスキマを作る事を心がけます。
相当ゆるまないと難しいです。



3月の予定

3月の稽古は
11日(土)、18日(土)、25日(土)の3回を予定しております。


宜しくお願い致します。





二軸揺動

人間、どうしてもある程度の地位に至ると、そのポジションを守る事に心が向きます。
そうなると探求者であった頃の向上心も、人から学ぼうとする謙虚さも失ってしまいます。
段とか免許とかいったものもその弊害の元になっていると思われるので、ずっと白帯でいた方がいいのかも知れません。

●二軸揺動

最初は管理人から。
先日、太極拳の講習会で教わってきた「発勁」の基本について取り上げてみました。

まずは逃げの少ない棒を介しての発勁です。
片方をしっかりと持ってもらい、普通に引っ張ってみます。
よっぽど力が強い人でないと相手は動いてくれません。
そこで、一工夫します。
いきなりガッと引っ張らずに、引っ張るかなり前の方から棒を撫でるようにこすり、あるポイントで棒を掴んで重みを載せると、相手が軽くこちらへ飛んできます。

コツは腕を使わずに「置いておく」感じで体を落とすように力を掛ける事と、かなり前の方から細く長く荷重を掛ける事です。
自分の体重をそのまま相手に移す様な感じで、うまく行った時には手応えが全く残りません。
これは柔術の技も同じで、うまく掛かると相手が転がっているのに掛けた本人はポカーンとしていたりします。

次は棒を押す方です。
押す方が難しい。
なぜかうまく行きません。

そこで以前Kさんが教わってきた「片手で肩を触りながら突くパンチ」の要領でやってみたら、今度はうまく行きました。
この原理は良く分かっていなかったんですが、太極拳の講習会で同時に教わった体の使い方にヒントがありました。
棒を押す時にどうしても体の垂線を軸にした「一軸回転」になりがちなんですが、これだと体が捻れて力が伝わりにくいです。
それに腕だけに力が集中するため、相手に力点を察知されやすいのです。

しかし、「片手で肩に触るパンチ」だと、体に軸が2つ立った「二軸」になり、それらがタイミングずらして前に出る「二軸揺動」という運動になるのではないか、と気がつきました。
一軸だと出ていく力が点であるのに対し、二軸揺動だと線、あるいは面になると考えられます。
この二軸揺動が体全体の重みを相手に伝える体の使い方ではないかと推察されます。

引っ張るほうが簡単なのは、後ろに下がると自然に体全体が動くので体重を乗せやすいためでしょう。
本当は前でも後ろでも同じ理屈で同じ効果がでないとダメです。
さらに研究を続けます。

●ライトスパー

格闘技をされている方が体験に来て下さいました。
せっかくの機会なので、当てない「ライトスパーリング」をさせて頂きました。
普段型稽古や理屈ばかりやっている我々が最も不足している練習です。

やってみて実感したのは、間合いの取り方の難しさです。
体験に来られた方は格闘技の経験が長く、常に対人練習をしているので間合いのとり方が上手で、カウンターのタイミングも体得されています。
この辺りはやはり経験がものを言うようです。

古武術などをやっている人は、型稽古は長年やっていても、それを活かす対人稽古をあまりやらない傾向があるので、私達もこの点は改善していきたいです。

今月は25日にもう一回稽古やります。
宜しくお願い致します。


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