正しい姿勢

<今日の検証内容>

・手ほどき、当て身
・中心軸の形成、姿勢を正す


●手ほどき、当て身

基本に立ち返って最初の型を見直します。
同じ技を何百回とやってきましたが、やればやるほど新事実が浮かび上がってきて更新を迫られます。
おそらくこれからも変化し続けるでしょう。

今日特に重点的に検証したのは「顔当て」という技です。
掴まれた手を外して手刀で顔に反撃する、というオーソドックスな型ですが、追求していくと色々と見えなかった事が見えてきました。

腕を振るときに上半身の回転力を生かして手刀がムチのように飛んでいくようにします。
我々は先生から「手刀は当てるよりも引く方を早く」と教わりました。
これまでは隙を作らないための措置だと思われてきましたが、実は威力を生み出すのに理にかなった方法だと分かってきたのです。

自動車で衝突事故を起こした時、シートベルトをしていないと中に乗っている人間は慣性力によってフロントガラスを突き破って外へ放り出されます。
それと同じ理屈で、手刀を素早く引き戻すと当たった所から大きな「貫通力」が発生するようです。
ボクシングのジャブが当たると脳を突き抜けるような衝撃があるそうですが、それの手刀バージョンだと考えればいいでしょう。

今回の検証を意識的に盛り込んで打つと、顔を防御していた掌が押し込まれそうなぐらいに強い打撃力が得られました。
これに前回検証した「意識の集中」をプラスすると、更に強力な力が生み出せます。

よく時代劇で首筋に手刀を当てて気絶させる、というシーンがありますが、あれはウソではないと実感できました。
下手をすると気絶させるどころか絶命させてしまいかねません。

実際に打撃系の武術家の突きを手刀で払った際に相手の手首の骨が折れてしまった例があるそうで、型の要求を満たした時の威力は折り紙付きです。


●中心軸の形成

武術で一番肝心な所は「姿勢」でしょう。
自分の姿勢が崩れていてはそこを突かれて破綻します。

その姿勢の基準となるのが「軸」です。
実物として存在しない架空の線で、あらゆる動的重心の総和として体の中を貫いています。
様々な軸が考えられますが、中でも頭頂から背骨を通って土踏まずの間を抜けるものが最重要と思われます。
高岡英夫という人が提唱する「センター」の第3軸と呼ばれるものです。
これを元に動きが作られるのが最も効率が良い様です。

とりあえず、この軸を意識した上で技をやってみます。
「正息の法」という呼吸法に従った胸、背中の開きと背骨の伸ばし具合にヒントを求めました。
不思議な事に受け手が姿勢を正していると、攻撃側は何となく居心地が悪くなります。

武道の専門雑誌「秘伝」10月号に八光流柔術の師範の記事があり、そこに、
「自分が正しい姿勢で居続ければ、崩れるのは攻撃する方だ」
という様な言葉が書かれています。
そういう事なのかもしれません。

中国武術の太極拳とか八卦掌といった内家拳では、体を「要求」に従った形にして、そのまま敵を迎えます。
重要視されるのはそこからの技ではなく、形を維持することです。
(正確には体内の「勁力」の維持)
この辺り、考え方が共通します。

表面がツルツルしていて底面がしっかり固定された円錐に突っ込んでいくと、滑って勝手に転んでしまう、というようなイメージでしょうか。
こうした効果を出すには頂点からの鉛直軸が正確でなければならない事は言うまでもないでしょう。
これまでは技を出す土台として正しい姿勢を作る、という考え方でしたが、実は姿勢を正しくすること、それだけでいいのかも知れません。
根本的な考え方を変える必要がありそうです。

いかに正確な軸を形成し、そこから正しい姿勢を作るか。
これからのメインテーマです。
スポンサーサイト

Powered by FC2 Blog

FC2Ad


Copyright © 武術練習会の研究開発日記 All Rights Reserved.