「軸の鍛錬」

天災は、忘れた頃にやってきます。
当会ブログも忘れた頃に更新されるのです。


<今回の研究テーマ>

●「軸」の鍛錬

どの武術でも重要視されるのが「軸」という概念です。
腕、足、全体、はては相手との間に作られるものまである架空の線の事です。

今回はその中でも「体軸」「中心軸」と呼ばれる体を上下に貫く軸について検討してみました。


土踏まずのカカト寄りの一点から頭頂までを通る軸は武術のみならず、スポーツや文化活動に至るまで、およそ人間のボディワークに関わる全てに影響を及ぼす基準となります。

まず、注目したのは脚の骨です。
脚のスネの部分には「ヒ骨」と「ケイ骨」という2本の骨があります。
スネの真ん中を通る太い骨が「ケイ骨」で、外側にある細い骨が「ヒ骨」です。
当然「ケイ骨」に荷重を掛けるのが効率が良いのですが、普通の人はなぜか「ヒ骨」の方に荷重を掛けて筋肉を固める事でサポートしています。
これではスマートな動きは出来ません。
ケイ骨に意識を集中させていろいろやってみることにしました。

木刀の素振り。
いつもは振り切った後、前側に体重が乗り、足の母子球に負荷がかかっている状態になります。
この時前面の筋肉が張って前進をストップするような感じになっています。
ここから転身したり更に前に進むのは難しいです。
変化しにくいのです。

今度はケイ骨重心の素振りです。
振った後に土踏まずのケイ骨真下に体重が乗るようにしてみます。
こうすると前面から力が抜けて変化がしやすくなります。

母子球に体重が乗っていると、そこを「蹴って」転身する様になるために一呼吸余分な動作が入ります。
一方ケイ骨下重心だと、そこを中心点とすることでスムーズに回転が出来ます。

合気道の「転身」も、つま先重心とケイ骨下重心で比べるとケイ骨下重心の方がなめらかに動けます。
特に相手がいて、手を掴まれた状態で行うとよく分かります。
こじったりぶつかったりする感じが減るのです。

手ほどきの動作などでも試してみます。
前側に意識があるとお互いにぶつかる感じになり、上げるときに力が要りますが、ケイ骨に意識があると相手や自分の体重がケイ骨を通じて地面に流れていくような感じがします。
力をアースしている訳です。

これは筋肉の役割にも関連があるようです。
体の前面の筋肉は「ストップ筋」と呼ばれ、前に進んでいるのを止める機能があります。
そのためつま先に意識を持って来ると自然に前側が緊張し、体を止める方向に全てが動きます。
これだと対人の動作がしにくいです。
相手と組み合った時に力比べになるのは前面に意識があって、お互い緊張している為に身動きが取れなくなるものと考えられます。

対してケイ骨下重心だと前側の筋肉は弛緩しているため、ストップ筋も働きません。
前に進んでいくには有利な体の使い方が出来ます。
さらに相手からの力も地面にアースされるので、相対的に自分の力の方が強くなります。
体の中心に意識を持ってくる事で使う筋肉をコントロール出来るようになるものと考えられます。

今後はこのケイ骨下重心を基本に稽古を進めていこうと思います。
まだまだ研究は始まったばかりですが、パラダイムシフトが起こる予感がします。
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