形の力

武術練習会を始めるに当たって、目指した事が2つあります。
1つは以前にもご紹介した様に、来たい人が来たいときに来て、やりたい様に稽古しておしまい、という気楽なスタイルです。

もうひとつは「野山獄」です。
野山獄とは、幕末に吉田松陰が黒船で密航しようとして捕まった際、一時的に放り込まれた牢屋敷の事です。
当時、松蔭は日本でも指折りの知識人だったのですが、
「自分は書が下手だから教えて頂けないか」
と、先に投獄されていた侍に教えを請うたそうです。

これをきっかけに牢の中では、それぞれの得意分野を持ち寄って、ある者が先生の時には他の者たちは弟子になる、という教え合いが始まりました。
この共鳴空間は受牢者たちに大きな変化を与えた様です。
こんな風にお互いに教えたり教えられたり、という場所を作りたかったのです。

「気楽なスタイル」と「野山獄」。
この2つを目標に今後も運営していきたいです。


●形の力

久々にお客さんが来て下さいました。
管理人が別のサークルでお世話になっているHMさんです。
フルコンタクトやボクシングで経験豊富なHMさんからも教えて頂きたい事がたくさんあります。

今回、最初の案件は「手の形」です。
技を掛けるときに手の形を工夫すると、どういう訳か雰囲気が変わってきます。
急に強度があがったり、逆に存在感がなくなったりするのです。

理屈は不明ですが、どうも人間の中に眠っている四足動物の構造が呼び起こされるみたいです。
中国の武術の中には手を不思議な形にするものがいくつかあります。
また、峨眉十二粧や陳式太極拳には指をクネクネさせながら腕を動かす鍛錬法が伝わっています。
今まで何のためにそんな形を取るのか分かりませんでしたが、ヒントを与えられました。

手には神経やら血管やらがびっしり詰まっていて、脳とも密接なつながりがあります。
積極的に動かす事で体の他の部分に作用すると考えられます。
反対に、手を頑丈にしようと思って叩いて鍛えたりすると脳や視神経に障害を及ぼす事も知られているので、痛める事がないように十分注意しなければなりません。


●正面受け

例えば敵が正面からパンチを放ってきた時、半身になりながら避ける方法があります。
しかし、これをやると相手と自分の間にスペースが生じるので、相手に次の攻撃をさせやすくなります。
すると避けても避けても追ってくるため、防戦一方になってやがてスキを作る危険性があります。

そこで、最初の一撃を真正面から受ける方法を検証してみました。
まともにガツンと受けると力比べになるので、ここでも腕で有利な形を作ります。
ちょうどラッセル車で雪を除けるような感じです。
こうすると攻撃を斜め上に逸らしつつ、間合いをグッと詰められるため、相手の反撃のチャンスを奪うことが出来ます。
腕の角度と入っていくタイミングを確認してみました。

今回はKさんのレクチャーがメインでしたが、もっと実際に使ってみて、あれこれ議論したりしたいです。


12月は7,14,21日の3回稽古を予定しております。
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