意識とイメージで

人間は何かを「やる」と決めてから実際に体が動くまで1秒ぐらいかかるそうです。
そのタイムラグの間に何をしているかというと、脳の中で様々なシュミレーションをしています。
距離を測り、体をどう動かすか何パターンも検討し、プログラムを作成して全身の筋肉に指令を出しておきます。
そして、最も適当と思われる動作を実際に行う、という訳です。
この脳内シュミレート能力があるからこそ、人間はまったくやった事がない行動でも何となく出来てしまうのです。
ほんのわずかな時間にこれだけの情報処理をしてしまう「人」の能力に驚嘆します。

今回はこういう能力を生かすような稽古をしてみました。

●「折れない腕」

Kさんが学んできた、ある種のイメージを生かした技をいくつかやってみます。
例えば、合気道でいう「二教」という手首を逆に極めて絞める技をやるときに、上からグイグイ押さえつけても体が強い人にはなかなか通用しません。
そこで極める腕と自分の間に「ちょっと硬いものがあって、それを縮める」というようなイメージを持ってやると技がかかります。

「折れない腕」というのもやってみます。
腕を横に伸ばして、誰かに両手で掴んで折り曲げてもらいます。
普通に力を入れて耐えると、よほどの怪力の持ち主でもない限り折られてしまいます。
そこで、力を抜いて小指側を上に向けて「はるか向こうまで伸びていく」というような意識をもって腕を伸ばすと折られなくなります。
力で耐えている場合と明らかに感じが変わります。

Kさんの解説では、人間の筋肉は伸ばす側の「伸筋」と曲げる側の「屈筋」があって、力を入れてしまうと両方が拮抗してしまうため、相手の曲げようとする力にプラスしてしまうそうです。
しかし力を抜いて「伸びる」意識を持つと、「屈筋」はオフになって「伸筋」だけがオンになるため、本来の伸ばす方が強化されるのだとか。

いつもながら、Kさんの観察力と洞察力には感服します。
Mさんもそうでしたが、わずかな情報から秘伝に近いものを考察だけで導いてしまう人たちに驚きを禁じえません。

●「スキマに通す」

今度は管理人が学んだものをやってみます。
重心移動で相手を崩す際に、力がぶつかるとそこで止まってしまうので、それが起こりにくいように「力の隙間」に通してみます。
両手を掴まれた状態で前後に足を開き、後ろから前に重心を移動させて、それを相手の足の間に突っ込んでいきます。
ここは何も無い空間なので、力を通しやすいです。
やられた感じとしては、体の中心にグーンと重みがかかった様になって崩れます。

●開合勁

開合勁とは中国武術の力の発し方で、胸を開いたり縮めたりして生み出します。
達人になると、わずかに胸を張っただけで押していた相手が吹っ飛んで行きます。

2人で練習する時は、パートナーに両手で胸をポンポンと押してもらい、タイミングを合わせて開合で押し返したりします。
こうやって胸を使って体当たり的に使う他、腕から手に伝達させて打撃として使う場合もあります。
打撃を相手に受けてもらうときは、必ず肩の辺りに当てるようにします。
胸に向かって打つと、心臓が止まってしまう時もありますので(笑。


今月は24日が最後の稽古です。
よろしくお願い致します。

スポンサーサイト

Powered by FC2 Blog

FC2Ad


Copyright © 武術練習会の研究開発日記 All Rights Reserved.