動的静

物事が進展しないとき、何か一つちょっとした変化が全体をガラリと変える事があります。
ダムに開いた小さな穴がダムを決壊させたりするのが良い例ではないでしょうか。
(悪い例ですが(笑)


●PNFストレッチ再び

他のメンバーが来る前に体をほぐしておこうという事で、IさんにPNFストレッチのレクチャーをお願いします。
今度は前屈だけでなく肩甲骨周りにチャレンジ。
最初に現状を確認します。
横向きに寝て上側になった手を背中に回すと肩甲骨がボコッと出ますので、これを指でひっかけて持ち上げられるかやってみます。
管理人は引っかかりが少なくて持ち上げられませんでした。
肩甲骨のPNFはこの周辺の可動域を広げます。

まず自力で肘を背中の方にグイーッと伸ばし、肩甲骨を飛び出させます。これを6秒。
間髪を入れずIさんに肘を背中側に引っ張ってもらい、それを相殺するように前に引っ張り返して6秒。
最後に脱力して引っ張られるままにして6秒。
これを3セットです。

再び横向きに寝て肩甲骨の飛び出し量を確認すると、今度は指が引っかかるぐらい出るようになって持ち上げて頂けました。
わずか数回の運動で凝り固まっていた肩甲骨の可動域が飛躍的に広がります。
これで武術の型をやってみたら、今まで出来なかった姿勢が出来る様になって感動しました(笑。
色々な部分をPNFで開発したらパフォーマンスが向上すること間違いなさそうです。
Iさんのご指導の元にやっていますが、管理人もアシストが出来る様になりたいです。

●動的静

いつもはメンバー全員で同じテーマを追求するのですが、今回は2手に分かれます。

KさんとIさんはPNFをやった後、今度はKさんのレクチャーに入ります。
「バランスを取った状態を作る」とそれがどのように体に影響してくるかの実験です。
パートナーに片手の押しを受けてもらいます。
最初は何も工夫せず、ただ押すだけにして、その時の感じをパートナーに覚えておいてもらいます。

次に、一方の手に不安定な状態で何かモノを乗せてバランスを取ります。
気を抜くと乗せたものが落ちてしまうのを落とさないように意識を集中させ、その状態でパートナーをもう一方の手で押してみると、押しに「遊び」が無くなったようなダイレクト感が出てきます。
バランス取り無しでやった時は接触から力がかかるまでの時間が長い感じがしますが、バランス取りありの押しはいきなり力がかかるような感じです。

これは手に乗せたものを落とさないようにしている時、重心の取り方や力の抜け具合が理想に近づいて力の伝達効率が向上するからだと考えられます。
例えば長くて細い棒を掌に立てて倒れない様に維持しようとすると、棒の揺れを吸収するように体を微妙に動かし続けなければなりません。
大きく動かすと棒の揺れが加速されてしまいますし、動かしが足らないと揺れが吸収されずに倒れてしまいます。
あちこちへ向かおうとする様々なベクトルを、動きの中でまとめ上げ一つの総和にした時に初めてピタッと揺れが止まった様に見えるのです。
いわゆる「動的な静」というやつです。
こうなった時が最も力を掛けるのに理想的になっているのではないかと考えられます。

武術にはひたすら立ち続ける練習や、片足で立ったり、わざわざ不安定な姿勢を取ったりする型がありますが、一見不可解なこれらの練習法は「動的静」を養っているのだと思われます。
昔日の達人の写真や映像を見ていると、まっすぐビシーッというより、ユラ~っと立っている様な印象を受けます。
それは体の中でいつも動的静を取っているからではないでしょうか。

●胸推手

HKさんと管理人は「胸推手」というのをやってみました。
「推手」とは太極拳の2人で行う練習で、普通は腕を介して押してくるのを逸らしたり、押し返したりしますが、今回はダイレクトにお互いの胸に掌をくっつけてやり取りをしてみます。

腕を介すると腕の力で何とかしようとしたり、腕を使って方向を変えたりと誤魔化しが出来ます。
しかし直接胸に手を当てられて押されると体を使って対処せざるを得ません。
太極拳だけでなく武術全般に「腕が無いもの」として動くのが理想ではないかと思われますので、それを養うための練習です。
腕や手のように器用に動かせない上、直接胴体に力が加わるので瞬時に方向を見極めて受け流さなければなりません。
胴体を器用にするのに良さそうです。

こんな感じで5月最初の稽古は終了です。
今月はこの後連続2週稽古を予定しておりますので、こちらもよろしくお願い致します。




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