太極拳づくし

文明が発達するとリスクもそれに伴って増大します。
先日の東海道新幹線の放火などは、トンネル内で起きていたら想像も出来ないぐらいの大惨事になるところでした。
(巻き込まれて亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします)

日本も精神的・経済的に追い詰められた人達が増え、不安が増大しています。
常に周りに目を配り、最悪の事態も想定しておく事が必要でしょう。

●武器対練

今回は太極拳のスペシャリスト・HKさんと色々研究しました。
最初は武器の対練についてです。

そもそも武術は刀とか槍とかの武器術がメインです。
平和な時代になって徒手での技術にシフトが移った訳ですが、本当のところは元になった武器の扱いをやらないと分からないと思います。
なぜなら重い武器を自在に操るには、徒手以上に効率の良い体の使い方を要求されるからです。

例えば昔の槍は3~6メートルぐらいあって、かなり重い上に先端に刃物がついているので振り回そうとすると逆に体の方がもっていかれてしまうぐらいです。
こういうのを制御するにはそれなりの膂力とバランス感覚が必要で、その能力が徒手の武術のバックボーンになります。
拳法の達人には槍の名手が多かった事からも、武器術修行の成果は推して知るべしでしょう。

そこでなるべく安全に、武器の型を運用しながら対人練習が出来るように工夫してみることになった訳です。
道具を色々考えたところ、柔らかい樹脂の丸棒なら当たっても被害が少なくて重さも強度も適当だろう、と思ってポリプロピレンの素材を用意してみました。

HKさんに太極拳の剣(つるぎ)の基本をレクチャーして頂きながら、実際に打ち合わせてみます。
剣道やスポーツチャンバラのように当て合うというより、武器の型を実際に使う時、どういう間合いが正しいのか、とか、相手がどう反応してくるのか、という事を確認するのが主な目的です。
剣は両側に刃がついていて、動脈がある部分をサッと引き切ったり先で突いたりする武器なので、「叩き合う」のは意味がありません。
攻撃を防ぐにも角度をつけて逸らしたり巻き取ったり、と技巧的にならざるを得ないので、こういう対練に適しているのではないかと思います。

更に太極拳の型がそのまま活かされている部分もあり、剣をやることで太極拳の理屈も同時に研究できます。
今回は試しませんでしたが、柔術の原理も使えるのではないか、と思います。
武器術で身体能力を高める試み、今後も稽古に取り入れていきます。

●太極拳、空手など

その他、せっかく太極拳のスペシャリストがいらっしゃるのでレクチャーを受けながら色々模索します。
HKさんと管理人は違う系列の太極拳を学びましたが、同じ「太極拳」という名称の武術でも趣が全く異なります。
そこで共通点や相違点を挙げながら何でそうなっているのか、を研究してみました。

共通するのは腕の角度とか、肘とか肩とかの体の位置です。
この辺りは人間の効率的な体の使い方なのでほとんど同じです。

しかし、技術面はかなり違っています。
例えばHKさんの学ぶ太極拳は相手に対して自分の側面で対応するのが基本ですが、管理人の学んだ太極拳は相手に対して自分の真正面で対応します。
作った人の考え方や歴史的な背景などが反映されていて興味深いです。

突き技の話をしていたら空手の話になり、そちらの経験も豊富なHKさんに解説を頂きました。
空手の突きはなせ拳を回転させるのか、どこで回転させるのが適当か、中国武術の突きは回転させない場合があるが何故か?など、空手と太極拳の比較を実技を交えながら検討をしました。

自分が経験した事がない武術の話を聞くと、思考の幅が広がって勉強になります。
よくよく考えてみれば自分と同門の人と戦う機会なんてほとんどなく、たいていは話が通じない相手や別の武術をやっている人とやる事になるでしょうから、限られた世界の中で自己満足していても護身術としては意味がありません。
もっと視野を広く、あらゆる場面を想定しておかなければならないでしょう。


次回は7月18日(土)です。
一週とばしていますので宜しくお願い致します。

スポンサーサイト

Powered by FC2 Blog

FC2Ad


Copyright © 武術練習会の研究開発日記 All Rights Reserved.