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ナイフ・ディスアームなど

能登半島沖不審船事件を受けて海上自衛隊に日本初の特殊部隊が創設される事になった時、現場の責任者に抜擢された伊藤祐靖氏は途方にくれたそうです。
何しろゼロからの出発の上、友好国ですらノウハウを提供してくれなかったからです。
どこの国でも特殊部隊と言えば機密中の機密ですから、ある意味当然なのでしょう。
そこで伊藤氏は射撃、スキューバ、パラシュート降下など、必要な技術のほとんどを民間のインストラクター達から学び、自分なりにアレンジしたもので隊員を育成していったそうです。
そして、わずか数年でアメリカ海軍のSEALsに匹敵する実力と評価される「海上自衛隊・特別警備隊」に仕上げました。

この話は武術をやる上でも重要な示唆を与えてくれます。
自分のやっているものにスキマがあると感じたら、積極的に他分野にヒントを求めにいくべきです。
単に学び散らすだけではコレクションに終わりますが、そのエッセンスを消化すれば「自分の武術」になるはずです。


●ナイフ・ディスアーム

相手が刃物を持っていたら、こちらも何かしら武器を持って対抗するのが定石です。
が、どうしても周りに何もない場合、素手で対処するしかありません。
武術練習会でも様々な試みをしています。
今回はフィリピンの武術「アーニス」からナイフへの対処法「ナイフ・ディスアーム」を取り上げてみました。

ちなみに「アーニス」は「カリ」とか「エスクリマ」などとも呼ばれる剣術や棒術。体術の総合武術で、シンプルながら実戦的なので各国の軍隊や警察に採用されています。
武器の使用を前提にして体系が組み立てられているため、武器への対処法には学べるモノが多々あると思われます。

ナイフ・ディスアームの型の一つに、腹を突いてくるのを「綾」で受け流して顔に当身、さらに打った手を相手の腕に滑らせながら引き倒し、同時に持っていたナイフを突き返す、というのがあります。
日本の武道なら刃物を取り上げる所ですが、アーニスではそのまま刺し返すのがリアルです。

何度かやってみた所、相手がディスアームに気づいて体を固めるとうまく引き倒せません。
そこでKさんの発案で、体ごと相手と正対する方向に回ってみたら、比較的簡単に倒せました。
相手の側面方向に引くのは難しい様です。

翌週、HDさんともう1回、型通りに出来ないか試してみました。
今度は「皮膚操作」を使ってみます。
流れに沿って腕の皮を引っ張ってみたら、側面方向でも引き倒す事が出来ました。
型を仔細に観察すると、相手の腕を擦るような動作が入っているので、アーニスにも皮膚操作が使われているようです。

●一軸、二軸

Kさんが普通の人の立ち方を観察した所、たいてい足が中心から斜めに生えた「人」型になっているそうです。
そのため、一方の足をパッと上げると、上げた足の方に倒れていきます。
片足立ちすると、今度は中心軸に向かって足を逆斜めにしないとバランスが取れません。
これは体の中心の「一軸」だけを利用しているためです。
歩く時も体の真ん中の軸を中心に回転するように足を振りますし、手を出す時、避ける時、全てが中心軸回転運動になります。
単純に考えて、A位置からB位置に行く時に弧を描くよりも直線で突っ切った方が早いのですが、普通の人は中心一軸なのでどうしても弧を描く運動しか出来ないためロスが大きくなります。
コンマ何秒でパンチや武器が飛んでくる場面では、このロスは致命的です。

また、一軸だとコントロールされやすいという欠点もあります。
軸が分かっていればコマのように回しやすいですし、デンデン太鼓のように飛んでくるパンチは止めやすいです。

そこで何とか一軸ではない体の使い方をしたい訳です。
足の生え方でいうと「人」ではなく「冂」みたいな軸が2本立っているようなのが理想です。
武術の達人はみんなこういう2軸的な立ち方をしていて、一方の足をヒョイと上げても平然ともう一本の足でまっすぐ立っていたそうです。

身近にいる生き物で(最近は身近でも無いかもしれませんが)、普通にこういう立ち方が出来るのはニワトリです。
あの枝みたいな細い足をまっすぐ立てたまま片足立ちしているので、体の中のバランスを絶妙にコントロールしているに違いありません。
よく中国の武術で「鶏歩」という歩法が出てきますが、あれは歩き方というより体の使い方を参考にしたのではないかと思います。

という事で、二軸について、もっと研究して行こうと思います。



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