剣(つるぎ)・タオル取り

「お役所の掟」の著者である、故・宮本政於氏は日本の医大を卒業後、アメリカに渡って研修を受け、教える立場も経験されたそうですが、日米の医学部の違いについて興味深い話を残しています。

まず日本の医大で講義を受けた際、教授の言う専門用語が分からなかったので周りの学生に聞いてみたら誰も知らない。
だけど、誰も教授に質問しない。
仕方ないので自ら手を上げて質問したら、教授は一言「●●だ」と簡潔に答えただけで終わり。
教室中の学生が質問をした宮本氏にビックリしていたそうです。

やがて宮本氏はアメリカで助教授として働き始めるのですが、こちらでは学生は遠慮なく質問してきます。
ある学生からは「自分が本で読んだ事と、宮本先生が言っている事が違っているんだが、どっちが正しいのか」と問われ、その場で答えられなかったので、後で調べて答えると約束して納めたそうです。

日本では先生の言うことは絶対で間違いは無いので黙って受け入れるものだ、という風潮があり、質問も憚られる雰囲気なんですが、アメリカでは先生の言うことでも疑問に思ったらどんどんそれをぶつけてきます。
学生だけでなく、先生も鍛えられる環境にあるのです。
その結果か、アメリカの医学のレベルは日本をはるかに上回っているのだそうです。

これは医学部の例なんですが、日本では全般的に先生と学生が、こういうお互いに高め合う関係になっていない様に感じます。
つまり、全般的にレベルが上っていかない、という事になろうかと思うのですが、いかがでしょう。


●剣(つるぎ)

最近、太極拳の剣(つるぎ)を研究しています。
人を斬る刃物としては日本刀とか湾曲したナタの様なナイフの方が効率が良いのですが、直っすぐで引き切りする必要がある剣は間合いを厳密に見極めたり、折れないように繊細な取り扱いを求められるので、身体操作を磨くのに良さそうだ、と考えて始めました。

陳式太極拳の武器術に詳しいHKさんにレクチャーを受けながら、剣を実際に使うにはどうしたら良いか研究してみます。
(といっても人を斬りたい訳じゃないので誤解なきよう)
表演用のジュラルミン剣だと軽いし打ち合いが出来ないため、真剣の重さに近い樫の棒を用意しました。
(ホームセンターで見つけた大鎚用の柄・1200円)

剣は刃渡りが800ミリぐらいあるのですが、切ろうとすると刃の根本から切っ先までを使った引き切りをしなければならないため、かなり相手に接近する必要があります。
だいたいお互い手を合わせた距離の1.5倍ぐらいが目安なので、徒手の間合いとあまり変わりません。
HKさんの説明では、フルコンタクトの間合いにほぼ等しいそうです。
この距離で長い刃物を振り回すのはかなり度胸が要ります。

新撰組の土方歳三は若い連中に刀で人を斬る時の心得として、
「自分のへそを相手のへそにくっつけるぐらい近寄れ」
と教えていたそうなので、刃物が長いからといって間合いが遠い訳ではないみたいです。

剣は片手で持つものですが、真剣はかなり重いと考えられます。
両手で扱う日本刀とそれほど変わりません。
今回使用した木剣は500gぐらいなんですが、これでも振り回すと体が泳ぎそうになります。
剣を片手で振るとなると体全体で重みを受け止める必要があり、それをうまくやる事が結果的に効率的な体使いになるのでしょう。

ちょっと検討しただけでも様々な問題点が見つかったので、引き続き研究を進めたいと思います。


●タオル取り

HKさんの提案でタオリ取りというのをやってみました。
まずタオルの端をシャツの首元に入れ、ネクタイみたいに前に垂らします。
これで相手のタオルを奪い合います。
タオルを取るのに相手の手を封じたり、逆に取ってくる手を受け流したり、取られない間合いを図ったりします。
前掛けが一番簡単で、次にタオルを首にかけ、最後に後ろ襟から垂らしたタオルを取り合います。
後ろのタオルを取るには素早く回り込んだり、手を滑り込ませたりとかなり難しいです。

殴り合ったりしないのでコンタクトに慣れていない人でも実践出来て、安全で効果が高そうなトレーニングです。
武術練習会の定番としてちょくちょくやってみようと思います。


今月はもう一回、22日に稽古あります。
宜しくお願い致します。



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