スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

コラム「型と組手」

武術において「型」は最も重要な鍛錬方法です。
伝統武術で型が存在しない流派はありません。
武術とは意味合いが違いますが、自由に打ち合っているように見えるボクシングですらコンビネーションという「型」を組み合わせて攻防を展開しています。

かように大切な「型」ですが、型だけやっていれば実際に戦えるようになる、と思うのは安易です。
確かに練習の大半が型練習に費やされるでしょうが、あくまで「効率良く動ける様にする」ためのものです。
何をしてくるか分からない敵を想定した場合、身体能力とイメージだけで対抗するのは危険すぎます。
対人訓練が絶対不可欠なのです。

逆に、防具を付けてひたすら打ち合うだけなのも考えものです。
人を相手にするのに慣れはしますが、現在持っている能力以上のものを引き出せません。
その場をしのぐのに精一杯で、効率の良い対処法を身につけたり身体能力を向上させたりするのは、よほどセンスのある人にか出来ないでしょう。


分かりやすくサッカーのチームに例えてみましょう。

Aチームは、リフティングやパス、走り込みなど技術の練習に時間を費やし、古今の戦術の研究もバッチリしているのですが、1回も試合をしたことがありません。

Bチームは、毎日試合ばかりやっています。
基本練習や戦術の勉強はせず、試合をやる事で練習としています。

練習時間が同じだとして、このAとBが対戦した時、どちらが勝つでしょうか?
私の予想では、Bチームがちょっと有利じゃないかと思います。
しかしファール続出で、およそサッカーとはほど遠いゲームになるでしょう。

既にお分りかと思いますが、型しかやらないのはAチームみたいなものです。
人間は有事には予想以上の能力を発揮するので、敵の動きはイメージしていたよりもずっとスピードが速かったり、タイミングが掴めなかったりして慌てることになるでしょう。
こちらに合せて動きを変化させてくるのもやっかいです。
それに、やるかやられるか、という駆け引きの場というのは実際に経験しなければ分からないものです。
精神的に緊張して動けなくなるでしょう。

逆にBチームの例の様に試合ばっかりなのは、人間相手にやることに慣れはしますが、効率が悪すぎてレベルが上がりません。
武術は既に技術的には完成されているのに、その上手いやり方を習得せずに一から研究していくのは無駄としか言いようがない。
微分方程式を学ぶのに本を読めば済むのに、足し算から独自に開発していく様なものです。


日本で伝統武術をやる人は、型練習に偏重しているきらいがあります。
それもやられて自信を失うのが恐いから、という消極的な理由から対人練習をしない様に見受けられます。
かくいう管理人もその一人で、「型さえやっていれば強くなれる」と思い込んで、試合でボロクソにやられた口です。
少なくとも普通の人は、型で身体能力を上げつつ、対人訓練でそれを確認していかなければ武術の習得などおぼつかないと思います。

とはいえ、いきなり自由にやり合うのは危険で効率もよくありません。
そこでまず技を2~3に限定し、攻撃と反撃に役をきっちり分けて、限定的に対人訓練をやってみるといいでしょう。
2~3と言っても、どの技を出すかは攻撃側がランダムに決めるので簡単ではありません。
これで慣れて型通りの攻防が出来るようになったら、今度は役割を分けずに攻防を自由に切り替えてやってみます。
ここまででもかなり時間がかかるはずです。

そして、技を4つ、5つと増やして、また役割を決めて自然に反撃出来る様になるまで練習する、慣れたら限定を解除する、また技を増やす・・・これを積み重ね、最終的には自由にやり合う様にします。

人を相手にすることで、自分に欠けているものが見えてくるでしょう。
そうしたらその部分を型で練習して補います。
型と対練は両輪の輪のような関係なので、どちらか一方だけでは成立しません。
一人で黙々と型を練習している方は、仲間を見つけて積極的に対練を手がける事をおすすめ致します。
武術をやる上で仲間は絶対必要です。

スポンサーサイト

Powered by FC2 Blog

FC2Ad


Copyright © 武術練習会の研究開発日記 All Rights Reserved.

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。